今日のスラング表現も、映画『グラン・トリノ』で耳にしたセリフから紹介します。
“Get the shit out of your mouth.”
何かとイライラを募らせるばかりのウォルター。そこにタイミング悪く、隣のタオがやってきます。玄関口での歯切れの悪いタオの挨拶。それにかぶせるように、ウォルターが言ったセリフがこれです。
その意味は?
直訳すると「クソを口から出してしまえ」となりますね。なんだか久しぶりにお下品なセリフの登場です(笑)が、これは「もごもごしゃべるな」とか、「うじうじしゃべるのは止めろ」くらいの意味でしょう。
あるいは、「言いたことは何だ?」という意味にも解釈できそうです。
この後に続けて、”What do you want? (何の用だ)” と続きましたので、どちらの意味にも取れると思いますが、ここはこのアジア人とアメリカの文化の違いが出た場面と考えると面白いです。
英語なら、単刀直入に「(車用の)ジャンパー・ケーブル借りれます?」が先に来て、次に「自分は隣に住んでいて・・・」と説明が続く続くのが、自然な流れです。
対して、これは日本語もそうですが、頼み事をする前に「こうこうこうで・・」という経緯を先に説明するのが自然な流れ(というか失礼にならない)ですし、その前に「自分は誰なのか」を先に言いますよね?
そこまで考えると、” Get the shit out of your mouth” と、それに続いた “What do you want?” とは、表現が異なるだけで、同じ意味と考えることもできます。
おっと、異文化スタイルの投稿ではないので、このへんにしておきますが、英語のスラングというのは、まさに異文化の世界の話なので、僕がこのサイトを作り直したのも、実はそういうワケなんです!
会話例:
Get the shit out of your mouth!
(吐いちまえよ!)
I swear I didn’t do it!
(オレはやってねぇー!)
そういえば、お下品ついでに、 “Get your head out of your ass.” というのもあります。直訳してしまうと、「ケツから頭を出せ」となりますが、なんとなく意味が想像できますよね?これは「無意味なことを考えるのは止めろ」とか、「ちゃんと頭を働かせろ」という意味です。
どちらの表現もオモシロいですが、あまり使わない方がいいかもです(笑)。