今回からは、映画『スティング』で耳にしたスラング表現を紹介します。
“Beat it.”
場面は、この映画の冒頭シーンです。ギャングの使い走りの若造に体を触られた秘書の女性が、彼をピシャリと叱咤した時に使ったフレーズがこれでした。
その意味は?
”Beat it”は、マイケル・ジャクソンのヒット曲にもありましたので、この曲を知っているなら、聴き取ることに問題はないと思います。
”beat” のもともとの意味は、「殴る」とか「やっつける」などを意味する単語ですが、”Beat it” で、「急ぐ」という意味があります(普通英語です)。
で、これがスラングになると、「失せる」という意味になります。
で、人に対して「うせろ(いなくなれ)!」と言うには、 “Fuck you!” というのもありますが、こちらは怒りの感情が強く、 “Beat it!” は上から目線な命令のニュアンスが強い、というのが僕の感覚です。
マイケル・ジャクソンの曲ですが、実は、今改めて歌詞をながめながら思うのは、「やっちまえ」、「うせろ」、「急げ」のそれぞれが、箇所によってあてはまりそうな感じですね。みなさんなら、どう解釈するでしょうか?
あ、曲ではなくて映画のセリフの話でした(笑)。
というわけですので、この場面での “Beat it!” は、「失せろ」という意味でハマると思います。
会話例:
What do you say?
(どおよ?)
Beat it!
(失せろ!)
ところで、映画『スティング』の冒頭部分は、会話のテンポが速いのと、ギャング調とでもいいますか、独特のはしょったようなしゃべり方のために、慣れないと聴き取れないフレーズが多いと思います。
ギャング調って、へんな言い方ですが、日本語でもありますよね、下町言葉とか浜言葉とか・・・そんな感じのとらえ方でいいと思います。
くどいようですが、聞き取れるようになるためには、聞くだけではなくて、同じスピードと音を、自分の口に出して真似ることです。これを地道に続けることで、ヒアリング力が伸びて、んでもって、それを追いかけるように、スピーキング力が伸びてきます。