今日のスラング表現も、映画『スティング』から紹介します。
Sucker egg!
(サッカー・エッグ)
場面は、前回と同じで「いつかこの仕返しをしてやるからな」に続いた捨て台詞が、今日のお題です。
”suck”は、「吸う」というのがもともとの意味ですが、相手を罵るスラング “sucker” としてよく登場します。
その意味は?
”suck” するものの代表選手といえば、赤ちゃんの「おしゃぶり」です。あ、これ日本語ではしゃぶるものですが、英語では、吸うものなんですよ。
で、そこから転じてスラングとしては “sucker”で、「ワケがわからないまま突っ走ってしまう人」や「だまされやすい人」のことを意味するようです。日本語には、「青二才」という言葉がありますが、近い感じかもしれません。
なのでこの場面の状況を踏まえて、お題を意訳すると「若造め!」とか、「クソガキめ!」てな感じになるでしょうか。
”sucker” は、普通は一語で使われますが、このシーンでは “egg(卵)”をともなって登場しています。
実は私、はじめのうちは、なぜ “egg” がついたのかわからなかったのですが、ロバート・レッドフォードが演じる、「世間知らずなのに突っ走る青二才」を象徴する言葉として、後になって考えると、ピッタリはまっている感じもします。
日本語でも、経験値の低い人のことを「ひよっこ」なんて言い方しますよね?なのでもしかすると、この “sucker egg” というセリフは、練りに練られたものなのかも知れません。
この卵がどうなっていくのは、映画を観てのお楽しみ、ということで(笑)。
会話例:
I guess I’m a sucker for this.
(オレ、まだまだ経験値不足だな)
Don’t worry. Everyone starts in the same way. (気にするなよ。みんな最初は同じだからさ。)
参考までに、”egg”ですが、「東洋かぶれの白人」のことをスラングで “egg” と揶揄するようです。”egg”って外が白くて中は黄色という、これぞ米語っぽいビジュアル系スラングです。。
禅とかヨガとか東洋的なことが、随分と広まっていることの裏返しなんでしょうね。喜びたいところですが、人種差別的なニュアンスがあって、良い感じはしませんですよね?
というわけで、”sucker”と”egg”、人に向けて使う時は、どちらも要注意ですよ(^-^)v