今日のスラング英語も、映画『スカイフォール』から紹介します。
“Take the bloody shot!”
(ていく・ざ・ぶらでぃ・しょっと)
冒頭の追跡シーンの続きです。前回登場した新人の女性エージェントのイヴ、Mにカツを入れられて必死にボンドをサポートしようとしますが、走る列車の上でボンドと格闘している男を狙撃銃で狙うことになってしまいます。
ためらうイヴに、遠隔から指示を出しているMがクールに “Take a shot.(撃ちなさい)” と指示。狙いを定めようとしますが撃てる状況ではありません。そこでMがさらに “Take the shot.(いいから撃ちなさい)” 、それでもためらうイヴにMが最終通告のように、”Take the bloody shot!”と怒鳴りつけます。
その意味は?
意訳するなら「撃てと言ってるでしょ!」、関西弁風なら「撃たんかいボケ」てな感じでしょうか(笑)。
このシーンは、英語的には、ちょいと勉強になります。まず、 “a” と “the “の使い方の違い。これニガテな人が多いと思いますが、”a” の場合は、「同じものがたくさんあるうちのひとつ」なので、変な表現ですが、なんら特別なことはない普通に一発の銃撃です。
二度目にこれが、”the”に換わったことで、「どの銃撃」かが特定されています。つまり「その銃撃がどういう意味を持つのか私には解っている」というニュアンスに変わります。
そして、3回目。”bloody”が間に入ることによって、業を煮やしているMの感情が表現されている、というワケです。
“bloody”は、以前にも一度出てきた(こちら)おなじみのブリティッシュなスラングです。直訳すると「血だらけの一撃」になりますから、まさにドンピシャリの表現ということになりますか♪
名詞の前につく単語が、”a”→”the”→”the bloody”と変わる感覚は、日本語から考えてもなかなか出てこない、ちょいとクールな感覚だと思いますが、いかがでしょうか?
会話例:
Where did you get the bloody paper?
(そんな書類、どこで手に入れたんだよ?)
The archive became open to the public the other day. (先日公開になったの)